ウォーキングに代表される有酸素運動の代表格ですが有酸素運動だけでは安心はできません。
1日1万歩を歩こう。こう考えて続けている方も多いと思います。ウォーキングは有酸素運動(エアロビクス)の代表格ですので、心肺機能を高めることができ、大変に素晴らしい習慣だといえます。
しかし、ウォーキングをしているからと言って、じつは安心はまったくできません。なぜならウォーキングだけでは必要な筋肉を鍛えるには不十分だからです。有酸素運動にはなっていても、筋力トレーニングにはなっていないのです。歩くだけでは、加齢による筋力、筋肉量の低下を防ぐことは大変に難しいのです。
スポーツ科学の世界的権威であるアメリカスポーツ医学会(ACSM)は、「有酸素運動(エアロビクス)、筋力づくり、ストレッチの3つの運動が大切であり、なかでも『筋力づくり』がもっとも重要である」との見解を示しています。
エアロビクス先進国のアメリカにおいては、今やエアロビクスだけではなく、筋力づくりを重視した運動をすすめているのです。
筋肉は毎年1%ずつ減少します。30歳代からはこの筋肉減少に負けないだけの筋力トレーニングをしないと健康を維持することすら難しくなります。
せっかく歩いていたのに将来は歩けなくなるという笑えない話にもなりかねません。
さらに、筋力トレーニングは体力をつけるだけではありません。筋肉量が増えると、基礎代謝能力が高まるために、体内で脂肪を燃やせる体になります。
最近太りやすくなったと思われる方は筋肉のおとろえが原因である可能性があります。筋肉が少なくなると基礎代謝力が低下して脂肪がたまりやすい体質になるのです。また、筋肉がつくと血行がよくなります。
疲れやすい人というのは、血行が悪く、全身の細胞に酸素や栄養を十分に送れなかったり、体にたまった老廃物を運ぶことができていないことが多いのです。そのため、肌荒れなども起きやすくなります。
とくに脚は心臓から一番遠いため、血液の流れが一番悪くなり、老廃物がたまりやすいのです。そのため一番大事なのは、下半身の筋肉をつけることです。
筋肉がつくと心臓の働きを助けるポンプの役割を果たして血の流れを豊かにしてくれます。血行がよくなることは、疲労回復、成人病予防、骨粗しょう症予防などさまざまに効果があることがわかっています。
とくに、筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせた運動は、それぞれの効果をさらに高めることができます。